日々の事柄に関する雑記帳。



第1章日常用語として使われるリスクの意味
確率を用いてリスクを表現するようになったことの意義
第2章リスクの源になる事柄、その原因と対策
第3章リスクをコントローする行動や手法
リスク回避、分散、危機管理、保険
第4章不確実性の元での意思決定や行動、それを支える手段
ゲーム理論、行動経済学
第5章想定外と感じる場面や、その背景
複雑系科学
第6章企業をめぐるリスク、リスク管理に必要なガバナンス
情報管理、コンプライアンス
第7章リスク管理が失敗する理由
インセンティブ(誘因)に乏しい
リスク管理の視点を取り入れた政策や行政
終章守るべきものは何か
リスク、不確実性、想定外の領域の区分がなくなりつつある

第1章

今日的なリスク、リスク管理の考え方

未来は神の手に委ねられている
確率によって将来を予測し、意思決定する

ここで展開される物語は、全編にわたって、次の二つの対立する考え方を持つ人々の緊張関係で特徴づけられている。一方は、最善の意思決定は計量的手法と数字に裏付けらえており、過去のパターンに依存していると主張する人々である。他方は、その意思決定を、不確実な将来に関するより主観的な信念の程度に基づいて行う人々である。これは未だかつて決着を見ない論争でもある。
この問題は、煎じ詰めれば、未来は過去によってどの程度決定されるのかという人々の考え方の違いに帰着する。

企業をめぐるリスクが増え続ける背景

  1. 自然災害
  2. グローバリゼーションの進展と金融市場の拡大
  3. 技術革新
  4. 企業に対する社会的要請の高まり
利益を上げることだけを企業活動の指針にすることができなくなった
  • 製品やサービスの安全性確保
  • 法令、ルールを順守する姿勢
  • 環境への配慮

第2章

不注意ミスを防ぐ二つの方法

  1. ミスの原因を深く探る
  2. 多重防護=何重にも安全対策がなされていること
  • 人間はミスを犯す
  • 機械は故障する
「なにを守るべきか」「どうしても守らなければいけないものは何か」という観点から考えていく必要があります。

慣れがリスク感覚を鈍らせる

オオカミ少年嘘つきを繰り返すと、人の信頼を失う繰り返しの嘘によって、大人たちの狼襲来に対するリスク感覚が鈍った
リスク管理警鐘を鳴らしたリスクが発生せず、信頼を失う 
オオカミ少年と呼ばれるリスク→どのようなときに警鐘を鳴らすべきか?
結果的にリスクが現実のものとならない場合、それは幸運なことです。警鐘を鳴らす者へ寛容であると同時に、幸運はいつまでも続くものではないという謙虚な気持ちを持つことが必要です。

失敗学

見たくないものは見えない
失敗知識データベース

他山の石
  • 他所の山から出た粗悪な石でも、宝玉を磨くのに使える
  • ほかの事柄を参考にして、自分に役立てること

殷鑑遠からず
  • 殷の王者にとっての鑑(手本)は、遠い昔ではなく、直前の夏王朝にあった
  • 他人の失敗を見て、自分の戒めとする

リスクとリターン

「どうしてリスクを取らないのか」と声をかける場合は、その前に、状況を一緒に考えてあげる配慮も必要です。

二兎を追ってはいけない理由
資源制約時間、資金、人間、設備などの分散
意思決定どちらを優先すべきなのか
利益相反一つが成り立てば、もう片方が成り立たない
主観的確率人が持つ信念や信頼の程度によって成立する確率
客観的確率客観的な観測結果のみに基づく確率

第3章

ポートフォリオ選択

投資家は単にリターンの最大化を求めるのではなく、一方でその変動やばらつきを望まないというリスク回避の姿勢を持っている。収益率の連動制(相関)が低い複数の銘柄を組み合わせることによって、全体としてのリスクを抑えつつ、同じリターンを期待することができる、としました。そして、同じリスクで最大のリターン、同じリターンで最小のリスクの組み合わせを「効率的ポートフォリオ」と呼びました。 収益率のばらつきをリスクと定義し、リスクとリターンを同等なものとして位置付ける

大数の法則

発見者:ヤコブ・ベルヌーイ
試行を繰り返すことによって、統計的(経験的)頻度を数学的(理論的)確立に近づけていくことができる

第4章

不確定なこと確率によって計測できる先験的確率数学的に決まる
例:サイコロの目
リスク
統計的確率実際に観察されるデータから決まる
確率によって計測できない不確実性
真の不確実性
不確実性の元で意思決定する企業家への対価が利潤である

貸し渋り

銀行不良債権処理により自己資本を減らした
企業景気低迷、不動産価格下落により信用が低下した
貸し手側の要因新たなリスクへ慎重になる
高い貸出金利を求める
借り手側の要因銀行が貸し出しに二の足を踏む

不確実性のわな

質への逃避=資金を国債に振り向ける
銀行の国債保有残高の増加→ 貸し出しの資金需要がないことによる消去法的な側面がある

ケインズ『一般理論』
企業家は、投資の予想利潤率と利子率を比較して投資を決める。しかし、先の読めない状況の中では、市場の心理に大きな影響を受けるようになる。仮に将来に対する悲観が支配的になると、利潤率を低く見積もり、利子率が下がっても投資を行いにくくなる
内外の金融危機の結果、保有する株式や投資信託によって多額の損失が発生した家計は、損失回避的になっていると見られます。また、先行き不安から消費にも消極的です。こうした家計の余剰資金が、手元の現金(いわゆるタンス預金)以外は銀行預金となり、銀行はそれで国債を購入しています。いわば、こうした「不確実性のわな」ともいうべき状況の中で、国債金利が低く保たれています。
不利な状況に陥った時、形勢を取り戻すべく、「一発逆転」「起死回生」を狙う誘惑にかられ、実際に行動してしまうことがあります。それまで地道に実績を積み重ねていたとしても。
人は痛みを抱える状態から何とか脱したいと思うバイアスが働く

問題先送りの背景
  • 情報不足
    • 情報はあっても、解釈にバイアスがかかっている=認知バイアス
  • やりたくてもできない
    • 資源制約
  • 意思決定にかかる組織上の問題
    • 優柔不断、迷走
  • 問題処理の動機付け
    • インセンティブが小さい
損失領域の効用(満足度)の変化の度合いは、利得領域のそれより大きいというものです。
ギャンブルでたとえれば、より勝とうとする気持ちより、少しでも負けを減らそうとする気持ちが強く働き、負けが込んでくるとなかなかやめられない、それどことか一発逆転を狙いに行く、というものです。

第5章

なぜ「想定外」の事態になったか→「想定」そのものに問題がある
  • 思い込み
    • 過去の成功体験、偶然の積み重ね、常に通用するとは限らない刷り込み
  • 希望的観測
  • 「そうあってほしい」が「そうあるべきだ」に変化する
  • 思考停止
    • 思うことが憚られる、恐れ多い、観たくない、考えたくない
  • 想像力の不足


ナシーム・ニコラス・タレブ
ブラック・スワンの領域にはできるだけ足を踏み入れるな
普通の事象は普通の事象で予測できるが、異常な事象はちょっと過去を見ただけではまず予測できない。
ほとんどの場合「ブラック・スワン」は「起こりにくい」が、起こった場合の影響がとても大きい


ジョン・ケネス・ガルブレイス
2つが揃ったとき、バブルが発生する
  1. 市場に「神話」が形成される
  2. 金融によるサポートでレバレッジが形成される


ロバート・J・シラー
多くの投資家は自分で適正株価を見つける努力をせず、「ただ乗り」しているだけである。そして一方的に株価が上がると決めつけるような行動をとっている

ヒューリスティック
  • 不確かなことについて判断するとき、面倒な計算や思考をすることなく「とりあえず」で済ませてしまうこと
  • 人々の必ずしも合理的とは言えない行動の根拠
  • 代表性
    • わずかな事例、典型的な事例で判断してしまう
  • 利用可能性
    • 思い浮かびやすいこと、簡単に手に入る情報で判断する
  • 係留(アンカー)
    • すでにある情報で判断する

第6章

第7章

リスク管理にインセンティブがない理由
  • リスクを考えると不安になる
  • リスクの非対称性
    • リスクが現実のものとならず可能性のままで止まったとき、リスク管理が行われたことや、そもそもリスクがあったことすら忘れられやすい
    • リスクを管理する行為への評価が低くなる
  • リスク管理を行うことはリスクを取らない、結果としてリターンも得られない、という誤解
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