日々の事柄に関する雑記帳。



個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンド・マネジャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと持っているほうが、遥かによい結果を生む

プロの運用する投資信託
  • 高い運用コスト
  • 頻繁な銘柄入れ替えに伴う売買手数料

改訂の理由
  • 新しい投資商品の開発、提供
  • 利用可能な投資商品の知識提供
  • 新しい研究、分析結果の検討、紹介
第10章行動ファイナンス
第11章スマート・ベータ
投資家が負担できるリスクはその年齢と証券投資以外から得られる収入に、大きく左右される。
投資に伴うリスクは、投資期間が長くなればなるほど確実に低下する

株式と価値

『ウィンダミア夫人の扇子』
この世の中ですべてのものの値段を知っていながら、一つとしてその価値を分かっていない者ほど皮肉なことはない。

ランダム・ウォーク
物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能である
プロファンダメンタル分析
テクニカル分析
学者ランダム・ウォーク理論
新しい投資テクノロジー
  • 投資
    • 配当や金利、賃貸料など、かなり確実性の高い収入の形で利益を上げること
    • 長期間保有して値上がり益を得ることを目的とした金融資産の購入
    • 成功するかどうかが、将来を予測する能力によって決まる賭け

投資と投機を区別する基準
  • どのような期間で投資リターンを考えるか
  • リターンが合理的に予測できるか

現在の財産を目減りさせない→少なくともインフレ率以上のリターンを上げ続ける必要がある
  • 実質購買力を維持するためにはそれ相応の投資戦略が必要
  • さもなければ実質的な生活水準は低下し続ける

資産価値評価
ファンダメンタル価値理論本質的、絶対的価値を現状分析、将来予測によって推定する。
砂上の楼閣理論市場の状況を探り、一般投資家が気づく前に行動する。
美人コンテスト→集団心理

ファンダメンタル価値→株式の本質価値=割引現在価値
  • 将来の配当を割り引いた現在価値の総額
  • 配当の成長率の差が、株式評価の最重要要素。
  • 長期的な成長率予測→どれくらいの期間、平均を上回る高成長が維持できるか
将来の成長過程、期間について、明確に根拠のない予測に依存している


砂上の楼閣
  • 一般投資家の行動、強気相場での希望的観測によって築かれる。
  • 群集心理の原理を重視する。
    • 企業の収益、配当見通しは誰にも分らない。
    • 金融資産を長期保有した場合のリターンを予測する、とは考えない。
    • 一般投資家よりも早く、株価水準の変化を予測する、と考える。
  • 美人コンテスト→集団心理
    • 支払ったよりも高額で売却できる見通しがあれば、どんな投資も成り立つ。
      • 将来、より高い価格で買い取られることを期待できるから投資する。→どんな値段でも、その値段以上で買う人がいる限り続く。
すべてのものの価値は、他人がそれに支払う値段によって決まる。

市場の狂気
市場で常に損をする人たちというのは、対象様々のチューリップ・バブルの魅力に抵抗できないタイプの人たちである。株式市場で金儲けをすることは、実際、それほど難しいことではない。むしろ難しいのは、短期間に手っ取り早くお金を儲けられそうな投機に、お金をつぎ込みたくなる誘惑を振り払うことのほうである。
ほとんどの新規公開銘柄の投資パフォーマンスは、市場平均を下回っているのだ。もしこれらの銘柄を、株価が上がった後で市場から買う場合には、もっとひどいことになる。
新規公開株の売り手の大半は、会社の経営陣そのものだということを覚えておいてほしい。自分の会社の株式を売るのは、業績がピークに達した時か、あるいは流行に乗せられた投資家の熱狂が最高潮に達したタイミングで行われるのが常である。
株式投資にとって重要なのは、新しい産業が経済や社会をどのように変えるかとか、どれだけ規模的に大きくなるかということではない。大事なのは、その産業や企業が利益を生み出し、それを維持していく能力なのだ。

古い銀行システム=originate and hold
  • originate
    1. 銀行がローンを供与する。
    2. ローンがバランスシートの資産に計上される。
  • hold
    1. ローンは関西までバランスシートに記録される。

新しい銀行システム=originate and distribute
  • originate
    1. 銀行がローンを供与する。
    2. ローンがバランスシートの資産に計上される。
  • distribute
    1. 銀行は、投資銀行へローンを転売する。
    2. 複数のローンを担保に、投資銀行は債券を発行する。
      1. 住宅抵当ローンの証券化=MBS (Mortgage-Backed Securities)
      2. 第1次派生商品
      3. 複数の異なる債券を発行する。→トランシェ
    3. 複数の第1次派生商品を担保に、派生商品を販売する。
    4. MBSの元利支払い不履行をヘッジする保険商品を販売する。→CBS (Credit Default Swap)

『証券分析』ベンジャミン・グレアム
株式市場は中長期的には「美人投票」の場所ではなく、「価値を測定する」場所だと言っている。価値の評価基準は決して変化していないのだ。
株価=将来生み出すキャッシュフローの割引現在価値
  • 株主が投資した資本を使って、会社が将来生み出す。

市場価格は程度の差はあっても常に、ある程度は間違っている
どんな予想値も、ほとんどの場合、正確なものではありえない。その上、個々の銘柄に関わるリスクの大きさは決してはっきりとは推計できない。したがって、何%の割引率で将来のキャッシュフローを割り引くのが適切なのかは定かではない。

仮に市場価格が間違っているとしても、どの時点で「高すぎる」のか「安すぎる」のかは、誰にもはっきりとは分からない。
割安銘柄だけを保有し、割高銘柄を保有しない運用は、誰にもできない。


通貨の3機能
  1. 財貨やサービスの交換手段たり得ること
  2. 価値を計算するときの信頼できる基準、尺として使用できる
  3. 価値の貯蔵手段になる

プロの投資家の成績表

「チャート分析は当たるのか」に対する説明
  • 群集心理における集団形成本能→予言の自己実現
  • 情報入手能力の差、情報伝達の時間差
  • 情報が株価に反映される(織り込まれる)までの時間差

チャート分析の矛盾
  • トレンド形成の後に投資する
  • 自己矛盾→タイミングを逸している
    • 同じ手法を用いる人が増えるほど、その手法の有効性は低くなる。
    • テクニカル分析のシグナルを、その発生前に予想する。→不確実性の増加

株価収益率が高くなる要因
  1. 成長率が高く、その持続期間が長い。
  2. 配当が多い。
  3. リスクが低い。→株価変動が少ない。
  4. 金利水準が低い。

ファンダメンタル分析の問題点
  1. 将来予測の正確さは証明できない。
  2. 不完全なデータで、正確な期待値は計算できない。
  3. 成長の評価は状況により異なる。

ファンダメンタル分析の問題点
  1. 情報、分析の誤り
  2. アナリストの誤り
  3. 市場の誤り

適正株価推定の4要因
  1. 期待成長率→成長は永遠に続かない。同じ伸び率で成長し続けるのも難しい。

ランダム・ウォーク
チャートが次にどう動くかということは、過去の動きに基づく限り、全く予測不可能なのである。
これは、過去の株価変動に基づいて、将来の株価を予測することはできないということを意味する。過去の株価の動きがどうあれ、明日の株価の上昇下降は五分五分でしかない。
  • 株式市場は純粋なランダム状態ではない。→現在と過去の株価変動の間に、ある程度の相関がある。
    • 株価に影響する情報が反映されるのに時間がかかる間のモメンタム(勢い)
    • 長期で見ると、利益や配当の成長に沿って、株価は上昇トレンドを描く。

テクニカル手法

フィルター法
  1. 閾値となるパーセンテージを決める。
  2. 直近底値から閾値分上昇したら買い、直近高値から閾値分下落したら売り。

ダウ理論
  • 直近高値で売り損なった人は、同じ機会が与えられたら売りたいと思う。
    • 直近高値=抵抗線
  • 抵抗線での攻防
    • 株価が抵抗線を超える。→強気シグナル
      • 抵抗線は支持線に変わる。
    • 株価が抵抗線を超えられない、あるいは支持線を下回る。→弱気シグナル
  1. 株価が直近高値を上回れば買い。
  2. 株価が直近底値を下回れば売り。

株価、出来高法
  • 大量の取引、出来高の増加→未充足の売買意欲
    • 大量の出来高を伴う上昇→買い意欲→買いシグナル
    • 大量の出来高を伴う下落→売り意欲→売りシグナル
あるテクニカル手法をテストする際には、その手法が考案された時期とは異なる期間のデータを用いて、テストしなければならない。
問題は、一度そのような規則性が市場参加者に知られれば、人々はそれが実際に起こるのを妨げるように行動するだろうということである。
株式には長期的には上昇トレンドがあるから、タイミングに備えて大きなキャッシュポジションを抱えていることの機会損失は大きい。
  • 1960年代半ばから1990年代半ば、30年間の取引日=約7500日
  • 期間中の上げ相場、95%=90日→全取引日の1%強

ファンダメンタル分析

アナリストが予想を誤る原因
  1. ランダムに発生する事件の影響
  2. 会計操作による利益捻出
  3. アナリスト自身の誤り
  4. セールス活動への協力、運用部門への人材流出
  5. アナリスト業務と投資銀行業務との利益相反

効率的市場理論:株価が新たな情報に素早く反応するため、それに基づいて継続的に利益を得られる投資家はいない。
  1. 新情報→ランダムに発生し、予測不可能。
  2. 株価はランダムに反応し、予測不可能。
セミストロング企業についての公開情報をもとに銘柄選択を行っても他人より優れたパフォーマンスは得られないあらゆる情報は、公表されている限りすべて適切に織り込まれている。
ストロングいかなる情報を用いても、他人より優れたパフォーマンスは得られないあらゆる情報は、公表されている情報だけでなく、外部に伝わっていない情報さえも織り込まれている。
外部に伝わっていない情報=インサイダー情報

ポール・サミュエルソン
多数の優秀な人々が、過大に評価されている銘柄を売ったり、過小評価されている株式を買ったりする機会を常に探し回っているとしよう。各人がこうした行動をとる結果、現在の株価は将来の見通しを適正に割り引いていることになるだろう。従って、自ら積極的に銘柄選択を行わないパッシブ(消極的)な投資家でも、現在の株価で買えば、様々な情報を分析した投資家と全く変わらない結果が得られることになる。
パッシブ投資家から見れば、偶然による銘柄選択、複雑な銘柄選択手法も大して違いはない。


ほとんどの投資家は積極運用タイプの投資信託に投資するよりは、インデックス・ファンドを購入したほうが長期平均的にはより大きく報われる。

新しい投資テクノロジー

結局のところインデックス運用こそが、最も実り多いウォール街の歩き方

現代ポートフォリオ理論

MPT (Modern Portfolio Theory)
ハリー・マコービッツ
  • マイナスの相関は必ずしも必要不可欠ではない。
  • 完全に正の相関でない限り、分散投資さえすればリスク低減に役立つ可能性がある。→国際分散投資、ポートフォリオ
石油価格の値上がり産油国にプラス産油国ではない国にマイナス
資源価格の値上がり資源国にプラス資源国ではない国にマイナス
株式というものは程度の差はあっても、同じ方向に上げ下げする傾向がある
分散投資は「ある程度」のリスク低減をもたらす

資本資産価格モデル

CAPM (Capital Asset Pricing Model)
  • 分散できるリスクを取っても、市場はプレミアムをくれない。→分散しても取り除けないリスクを取る。
  • 分散しても取り除けないリスクが、プレミアムによって報われる。
  • ベータ:ポートフォリオのリスク尺度
分散しても取り除けないリスクシステマティック・リスク市場リスク
全株式がある程度、同様に変動する傾向から生じるリスク
個別銘柄、ポートフォリオが市場全体の変動に反応する度合い
分散できるリスク非システマティック・リスクシステマティック・リスク以外のリスク
個別銘柄特有の要因により生じるリスク

ベータ=システマティック・リスクを数値で示したもの
  • 個別銘柄、ポートフォリオのリターンと、市場全体のリターンの相関関係→相対的な変動性、感応度の大きさ

ユージン・ファーマ、ケネス・フレンチ
ベータとリターンは基本的に勾配0の直線で示される関係にある
ベータとリターンの相関が見出せなかった。
ベータだけでは、リスクとリターンの関係を説明できない。


ベータを完全に否定できない理由
  • ポートフォリオの過去のベータは、将来のリターンの相対的な変動性の予測に通じる。→ベータ=リスクと考えているもののある一面
  • 正確なベータの測定は困難→市場の定義によって、得られるベータの値は異なる。

ファーマとフレンチの3つのリスク・ファクター
ベータシステマティック・リスク
サイズ株式時価総額
バリューPBR
株価純資産倍率
  • 長期間を計測した結果、ベータ、リターンの間の関係は、理論が想定するようにはなっていない。
  • 個別銘柄のベータは、
    • 対象期間により値が不安定である。
    • 比較する市場指数にも影響する。

行動ファイナンス

投資家は基調として非合理的である。
  • 後知恵→自信過剰→将来予見の幻想
後知恵過去の成功経験に根差した自信過剰
自信過剰自分の信念や能力に対する過信
過度の楽観自分自身の将来に対する楽観
  • 自信過剰
  • 偏った判断
  • 群集心理
  • 損失回避願望

アービトラージ=一物二価の状態を利用して利益を上げる取引。
  • ファンダメンタル価値に照らして割安を買い、割高を売る。
  • 同一業種、同程度の利益と配当見通しの二社について、株価に開きがある。
    • 株価収益率に差がある。
    • 買収提案に伴い、一方に高い株価が付けられる。

行動ファイナンスによると、
  • アービトラージは機能しない。
  • 株価がファンダメンタル価値に収斂するのは幻想だ。
行動ファイナンスからの視点→市場での株価形成は非効率である。

集団思考:個々人が集団で行動することによって、ある間違った考え方が訂正されるどころか増幅されて、あたかも正しい考え方であるかのように広く共有される現象を指す。

損失回避願望:選択肢の一つが確実に発生する損失である場合、多くの人々は、損失を避けられる可能性のある賭けの方を選ぶ。
  • 多くの人々はAを望ましいと考える。
A想定死者数600人のうち、200人は助かる。
B想定死者数600人のうち、1/3の確率で全員が助かり、2/3の確率で一人も助からない。
  • 多くの人々はB`が望ましいと考える。
A`想定死者数600人のうち、400人が死亡する。
B`想定死者数600人のうち、1/3の確率で死亡者は発生せず、2/3の確率で全員が死亡する。
    • A = A`
    • B = B`

自尊心と後悔
  • 投資家は間違った投資の選択を行ったことを自分でも認めたがらない。
  • その誤りを第三者に認めなければならない場合、後悔の念は一層強まる。
  • 投資判断が正しく大いに儲かった場合、誰彼構わず声高にふれて回りたがる。
多くの投資家が損失の発生している銘柄を持ち続けるのは、やがて株価が回復し、後悔の念を回避できると期待するからだ。

自尊心と後悔の念を回避したい→損をしている銘柄を保有し続け、儲けの出ている銘柄から手放す
  • 損している銘柄を手放す=損失の確定→損失と同額の利益以上のネガティブ・インパクト
上昇局面売却希望価格、それ以上でも買い手が見つかる。売り物が増える
下落局面売却希望価格の引き下げを渋り、いつまでも売れ残る。→売り手の損失回避願望売り物が減る

ウォーレン・バフェット
ナマケモノに限りなく近い半睡眠状態が、今のところ最善の投資スタイルだ。そして最適な投資期間は半永久的だ。

売らないという意思決定=現在の株価で買うということ
IPOのリターンは公開後6か月以降、市場平均を下回り始める。
  • 6か月間=ロックアップ期間:公開企業のインサイダーによる持ち株処分禁止期間

スマート・ベータ戦略

スマート・ベータ戦略インデックス・ファンド以上のリスクを取らずに、それを上回るリターンが得られるようなパッシブ運用
  • 過去に市場平均よりも高いリターンを上げた、いくつかのファクター特性を持つ銘柄を中心に組み入れる。
    • 単一ファクターの場合、リバランスに伴うキャピタル・ゲイン税により、インデックス・ファンドに比べて運用上の不利がある。
  • 通常のアクティブ運用に比べ、経費率が低い。
    • 経費率の低いファンドは、インデックス・ファンドの代用になる。


  • 過去に市場平均よりも高いリターンを上げた、いくつかのファクター特性を持つ銘柄群中心に組み入れるアクティブ運用。
  • 通常のアクティブ運用に比べて経費率が低い。

シャープ・レシオ:単位リスク当たりのリターン
  • ポートフォリオの総リターン(%)−無リスク金利/ポートフォリオの総リターンの変動(標準偏差)
  • ポートフォリオの平均リターン(%)/ポートフォリオの総リターンの変動(標準偏差)

GARPルール:バリュー株投資の銘柄選択ルール
  • EPSの健全な成長が見込めるのに、市場はまだ十分に評価していない。
  • PERが相対的に割安。→低PERルール
  1. EPSの成長予測は難しい。
  2. 低PER銘柄に注目する。
    1. EPSが成長する。→PERも上昇する。
  1. 高PER銘柄は高いEPS成長を織り込んでいる。
  2. EPS成長が実現できない。
    • PER低下
    • 利益低下

低PERも低PBRも市場がリスクを織り込んだ結果
  • 経営不安→直近のEPS、BPSに対して、株価は割安になる。

リスク・パリティ戦略

リスク・パリティ戦略低リスク、低リターンのポートフォリオを、借入金で規模を拡大して運用する戦略
  • 比較的安全性の高い資産は、そのリスク見合い以上のリターンを生む傾向がある
  • リスクの高い資産はしばしば過大評価され、リスクに見合わない低リターンに終わることが多い
  • 借入金でレバレッジを高め、低リスク資産を保有する。→リスク、リターンがともに高まる。→リスク以上のリターン
レバレッジを賭けた運用は、一般投資家にとっては少なくとも潜在的には大きなリスクを伴うものだということを認識すべきだ。
債券価格暴落
自己資金債券投資満期日を待つ→額面償還
価格回復を待つ
レバレッジ債券投資追証発生→保有債権の一部を売却→含み損の損失確定

ウォール街の歩き方の手引き

用語

APTArbitrage Pricing Theory
裁定価格理論
EAFEEurope, Australia, Far East
GARPGrowth At Reasonable Price
GSCIGoldman Sachs Commodity Index
MSCIMorgan Stanley Capital International
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