日々の事柄に関する雑記帳。




情報、通信系の学部制を対象とした教科書を目指して執筆した
それ以外の学科や高専、専門学校の学生およびワイヤレス関連と異なる専門分野の技術者がワイヤレス関係の知識を必要とするとき参考にすることができる
基本的な予備知識は必要ないが、高校の初年度で学ぶ三角関数、対数関数などは説明で用いている
第1章〜第6章ワイヤレス通信システムを構成する基本技術、要素技術
最新技術の基本的な考え方
第7章〜第10章基盤技術上でサービスされているワイヤレス通信
要素技術
他の分野の技術
第1章ワイヤレス通信の歴史と発展
第2章電波の基本的性質
第3章変復調方式
第4章多元接続方式
第5章信頼性確保のための技術
第6章高速化のための技術
第7章携帯電話システム
第8章無線LANシステム
第9章衛星通信システム
第10章短近距離通信システム

第1章

クーロンの法則荷電粒子間に働く力は電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例する。
荷電粒子電荷を帯びた粒子=イオン化した原子、電荷をもった素粒子
ガウスの法則磁場の構造に関する法則
電場と電荷の関係を表す方程式
アンペアの法則アンペールの法則
右手の法則
電流とその周りにできる磁場との関係を表す法則
ファラデーの法則ファラデーの電磁誘導の法則
ファラデーの電気分解の法則
ファラデーの電磁誘導の法則単一回路に生じる誘導起電力の大きさは、その回路を貫く次回の変化の割合に比例する。
ファラデーの電気分解の法則、第1法則電気分解された物質の量は、流れた電気量に比例する。
ファラデーの電気分解の法則、第2法則電気化学当量は化学当量に等しく、同じものである。

マックスウェル
電磁界理論電磁波の存在を予言
クーロンの法則+ガウスの法則+アンペアの法則+ファラデーの法則
電磁波電気と磁気の波動が互いに直交した関係を維持しながら空間を伝播していく
  • ヘルツ:火花放電による電磁波の存在を証明
  • マルコニーニ:火花放電によるモールス信号送信→ワイヤレス通信の基礎
モールス信号方式2値信号
アナログ変調方式音声情報
デジタル変調方式映像情報
データ通信
  • 電子回路技術の発展=トランジスタ→IC→LSI→VLSI
  • マイクロプロセッサ技術の発展
  • デジタル信号処理技術の発展

移動通信
第1世代FDMAアナログFM方式音声
第2世代CDMA
TDMA
デジタル方式
パケット通信方式
音声
小容量データ
第3世代W-CDMA
cdmaOne→cdma2000
デジタル方式音声、大容量データ、動画
第4世代LTE
第5世代IMT-2020

用語

AMAmplitude Modulation振幅変調
FMFrequency Modulation周波数変調
日本PDCPacket Data Communication
Personal Digital Cellular
Personal Digital Communications
米国IS-54
TDMA
欧州GSMGlobal System for Mobile communications
CDMACode Division Multiple Access符号分割多重多元接続
FDMAFrequency Division Multiple Access周波数分割多元接続
TDMATime Division Multiple Access時分割多元接続
W-CDMAWideband CDMA
LTELong Term Evolution
ICIntegrated Circuit
LSILarge Scale Integration
MPUMicro Processing Unit
VLSIVery Large Scale Integration

第2章

電波=電磁波
  • 時間とともに変化する電界が磁界を作る。
  • 時間とともに変化する磁界が電界を作る。
  • 次回と電界がたがいに作用しながら波として伝播する。
電波法として、3000GHzより低い周波数の電磁波を電波として定義している。


電波の発生
  • 空間に電界が生じる。
  • 電界が外に漏れる。
垂直偏波基準面に対して電界の方向(振幅方向)が垂直に伝播していく電波
水平偏波基準面に対して電界の方向が平行に伝播していく電波
直線偏波偏波面が時間的に変化しない

円偏波
電界と磁界に位相差があると、電界の向きと磁界の向きが回転して伝播する。
周波数呼称波長用途
300GHz - 3THzサブミリ波0.1mm
30GHz - 300GHzミリ波
Extremely High Frequency
1mm - 1cm衛星通信
近距離レーダ
3GHz - 30GHzマイクロ波
Super High Frequency
1cm - 10cm衛星放送
衛星通信
ETC
無線LAN
300MHz - 3GHz極超短波
Ultra High Frequency
10cm - 1m携帯電話
PHS
無線LAN
地上デジタル放送
30MHz - 300MHz超短波
Very High Frequency
1m - 10mFMラジオ放送
テレビ放送
3MHz - 30MHz短波
High Frequency
10m - 100m国際短波放送
300kHz - 3MHz中波
Medium Frequency
100m - 1kmAMラジオ放送
30kHz - 300kHz長波
Long Frequency
1km - 10km標準時刻の放送
3kHz - 30kHz超長波
Very Low Frequency
10km - 100km潜水艦通信

電波の経路=伝播路(パス)
マルチパス環境=様々な経路がある
直接波発信源から直進して伝播した電波
反射波反射した波金属などの導体:よく反射する
電気を通しにくい素材:反射しにくい
吸収された電波の一部が透過し、その他は熱に変わる。
反射波が主たる電波に遅れて届く→ゴースト
回析波障害物の裏側を回り込んで進む波波長が障害物以上の場合、影の部分に回り込む。
周波数が低い電波程、回析効果が大きくなる。

フェージング
  1. 伝送すべき情報を乗せた電波が複数の伝送路を経る。
  2. 多重された合成波として受信される。
    1. 合成波→振幅や位相がずれた電波が合成される。
  3. 発信源からの電波の波形が歪んだり、受信電力強度が低下する。=フェージング

減衰
  1. 電波は球状に広がる。
  2. 電波のエネルギーは距離の2乗に比例して弱くなる=減衰

干渉
  1. 発信している伝播と同じ周波数帯の電波が存在する。
    1. 受信電力の低下=干渉

アンテナ=空中線
送信高周波電力を効率よく電波のエネルギーに変換して空間に放射する。
受信空間から電波のエネルギーを効率よく受け取る。
効率よく:アンテナと給電線のインピーダンスを一致させる。
インピーダンス=交流回路における電圧と電流の比。
線状アンテナ携帯電話、UHF以下の周波数
開口面アンテナ衛星通信
アレーアンテナ複数のアンテナ素子を特定の感覚を確保して配置する。

アンテナの特性、性能
指向性アンテナから電波が放射される方向とその角度特性無指向性:あらゆる方向へ放射し、あらゆる方向から受信する。
高い指向性:目的の方向へ放射し、目的の方向から受信する。
利得送信利得:どの程度、電力を集中して放射できるか。
受信利得:どの程度、電力を集めて受信できるか。

復習

電界=電圧がかかっている空間の状態
水鉄砲でのたとえ
電圧電気を流そうとする圧力のようなもの→電気を流す能力の大きさピストンを押す力=水を押し出す力
電流押し出される水の量
抵抗水が出る穴の大きさ
抵抗が大きい→穴が小さい
抵抗が小さい→穴が大きい
筒の大きさ=電池の容量

第3章

ベースバンド信号情報として送信すべき情報信号
キャリア(搬送波)ベースバンド信号を載せる電波
変調
Modulation
ベースバンド信号をキャリアに載せること
復調
Demodulation
キャリアからベースバンド信号を取り出すこと
モデム
Modem
変調、復調処理を実現する機器
高出力増幅器送信側増幅器
伝送のため電力増幅する
低雑音増幅器受信側増幅器
受信した微弱な電波のノイズ抑制のため電力増幅する

変調:ベースバンド信号に応じて、3つのパラメータのいずれかを変化させる。
  • キャリアの振幅
  • キャリアの周波数
  • キャリアの位相

アナログ変調
振幅変調AM
Amplitude Modulation
ベースバンド信号に応じて、キャリアの振幅を変化させる。
周波数変調FM
Frequency Modulation
ベースバンド信号に応じて、キャリアの周波数を変化させる。
位相変調PM
Phase Modulation
周波数が高い一定時間内に存在する波の数が多い。
周波数が低い一定時間内に存在する波の数が少ない。
ベースバンド信号に応じて、キャリアの周波数を変化させる。→FM信号の波の疎密が変化する。
FM変調では、信号の振幅に情報を持たない。→ノイズによる振幅変化の影響がない。→AM変調に比べ、伝送品質が高い。

ノイズの影響によって変調波の波形が崩れた場合、元の波形を復元できない。→AM、FM変調の限界。→デジタル変調のニーズ。

デジタル変調
振幅変調ASK
Amplitude Shift Keying
周波数変調FSK
Frequency Shift Keying
位相変調PSK
Phase Shift Keying

位相変調
BPSK2相位相変調
Binary PSK
1ビット伝送
QPSK4相位相変調
Quadrature PSK
2ビット伝送

デジタル化のメリット
  • ノイズに強い。→劣化した波形の再生が可能。
  • 誤り検出、訂正が可能。
  • 暗号化が可能。
  • 回路の小型化、軽量化が可能→チップ化
  • データ圧縮可能。

デジタル化
  • アナログ信号→デジタル化→デジタル信号
    • 標本化=サンプリング
    • 量子化
    • 符号化
標本化一定の時間間隔(サンプリング周期)で、アナログ信号の値を取得する。
標本化定理元の信号に含まれる最高周波数の2倍以上の周波数の周期で標本化する。→元の信号を再現可能。
量子化サンプリングした値を、特定のビット数で数値化する。
特定のビット数=量子化ビット数
量子化誤差=電子化雑音ビット数によって生じる、振幅数に対する誤差。
ダイナミック・レンジデジタル値からアナログ信号を復元するときの最大値、最小値の比率。
レベル変換機ベースバンド信号を、-1〜1の値をとる信号に変換する。
フィルタノイズなどの不要な周波数成分を除去する。

QPSK
  • 2つのBPSK変調器を組み合わせる。
  • BPSKより高速
Inphase同相成分
Iチャネル
Quadrature直交成分
Qチャネル
  1. 1つの直列信号を、2つの直列信号(Iチャネル、Qチャネル)に分離する。
  2. I、Qチャネルに対して(1/2)π位相が異なるキャリアを変調して合成する。
    1. キャリアの位相変化に対してノイズなどによる伝送誤りが発生しやすい。

復調:受信した変調波から元のベースバンド信号を再生すること
キャリア再生キヤリアと周波数、位相が完全に一致した信号を再生する。
同期検波キャリア再生に基づいて、送信側からベースバンド信号を再現する。
シンボル・レート=シンボル周期、変調速度変調時の位相(振幅、周波数)変化の時間間隔
1シンボル遅延一つ前の変調のタイミングからの遅延
非同期検波=遅延検波現在の信号と、1シンボル遅延の信号を掛け合わせ、高周波成分を排除して送信側からのデータを推定する。
  • 非同期検波の回路構成は、同期検波回路に比べて簡単。
  • 非同期検波の復調は、ノイズを含む受信信号を用いる。→同期検波に比べ、復調時の誤り率が高い。
同期検波衛星通信システム
ノイズの影響を抑える。
受信電力の確保が難しい。
非同期検波携帯電話、無線LAN
回路構成が簡単。

第4章

多重化multiplexing基地局側技術単一基地局が、複数回線(チャネル)を束ねて複数端末へ送信する。
多元接続multiple access端末側技術複数端末が共通の電波を共有して単一基地局へ送信する。

多重化

双方向通信
上りチャネル端末→基地局
下りチャネル基地局→端末
複信duplex

チャネルの独立性確保:次のリソースを分割し、端末ごとに割り当てる。
周波数帯域周波数分割多重
時間時分割多重TDD (Time Division Duplex)
符号(コード)符号分割多重FDD (Frequency Division Duplex)

複信方式
上り、下りで同一周波数を利用する。TDD
時間間隔ごとに上り、下り通信を切り替える。
上り、下りで異なる周波数を利用する。FDD
上り、下りを同時に通信する。

多元接続方式

周波数分割多元接続方式FDMA (Frequency Division Multiple Access端末ごとに、異なる周波数帯域(周波数スロット)を割り当てる。
1ユーザーに割り当てられる周波数は限定されるが、通信時間は限定されない。
時分割多元接続方式TDMA (Time Division Multiple Access端末ごとに、異なるタイム・スロットを割り当てる。
単一の広帯域信号を時間分割で共用する。
1ユーザーは広い周波数帯域を利用できるが、通信時間が限定される。
符号分割多元接続方式CDMA (Code Division Multiple Access端末ごとに、異なるコードを割り当てる。

FDMA
  • TDMA、CDMAよりも単純。
  • チャネル=周波数スロット
    • チャネルの帯域幅を小さくできる。→低速
      • 周波数の利用効率向上
      • 装置の小型化、低消費電力→通信衛星システム
  • ガード・バンド:隣接周波数帯間の周波数帯
  • プリ・アサイン:電波の使用効率が最適になるよう、通信する時刻、周波数帯を事前に割り当てる。

TDMA
  • 周波数帯域が広い。→高速
    • 高出力増幅器、高いアンテナ利得が求められる。→装置の大型化
      • 増幅器を最大出力で動作できるため、電力効率が良い。
  • フレーム:端末に割り当てられた通信時間
    • 端末間の時刻同期が求められる。→端末ごとのフレームの衝突回避。
      • 時刻同期の精度を高めると、ガード・タイムを短縮できる。→周波数利用効率の向上
      • ガード・タイム:フレーム間の時間

CDMA
疑似雑音PN (Pseudo Noise)
  • 端末の信号を直交(独立化)する。→周波数資源、時間資源の重畳
  • 拡散符号=疑似雑音
  1. 一次変調:ベースバンド信号を変調する。
  2. 二次変調:変調したベースバンド信号に拡散符号を乗じる。→拡散
    1. 広帯域の信号となって伝送する。→干渉波信号とともに受信される。
  3. 送信側の拡散符号を用いて、ベースバンド信号を受信側で再乗算する。→逆拡散
    1. 一次変調と同じ波形=元の帯域幅の信号が復元される。
    2. 干渉波信号は拡散される。→CDMAが雑音、干渉に強い理由。
    3. さらに復調すると、ベースバンド信号が復元される。
  • 拡散符号を用いなければ、ベースバンド信号を復元できない→秘匿性が強い。
第1世代携帯電話FDD + FDMA
第2世代携帯電話FDD + TDMA
PHSTDD + TDMA
第3世代携帯電話FDD + CDMA

第5章

第6章

第7章

第8章

第9章

第10章

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