裏紙ノート - 20200412 ストラテジストにさよならを



ストラテジスト
株式市場全体の動向を分析し、相場見通しを立て、その相場観に基づく投資戦略を提示する職業

戦術
戦術の失敗は戦略で補えるが、戦略の失敗は戦術では補えない

敗者のゲーム
プロ攻撃により得点を勝ち取る。
アマチュア得点のほとんどは相手のミスによる失点

なぜ株は儲からなかったのか?

アメリカ日本
ROE15〜20%6〜7%
PBR2倍超0.9程度
日本株が儲からない→日本企業の利益率が低い→株価が上がらない
  • ROEが向上するかどうかに着目すべき

長期投資
長期投資こそ個人投資家が株式運用で成果を上げる一番確度の高いやり方である
  • 長期的に値上がりが期待できる銘柄を選んで保有し続ける。
  • ドルコスト平均法→時間分散効果

長期投資を良しとする理由→短期投資が上手くいかないから
  • マーケット・タイミングを当てられない
    • 短期投資はマーケット・タイミングが全て。
  • 個人投資家に決算期はなく、値上がりするまでいくらでも長期で持てる。

プロスペクト理論
人は利益から得る効用(満足)よりも、損失から得る負の効用(苦痛)の方が大きい
含み損を確定するかしないかというのは「どう運用するか」「何に投資するか」という主たる意思決定に付随する従属的な事項に過ぎない。この先、ベストと思える運用方法を検討した結果、A株が有望、と判断するなら保有を継続するべきだし、他に有望な投資先が見つかるならばそちらに投資を行うべきだろう。それが損切りを伴う乗り換えならば、その結果として「含み損が実現化する」という事象が伴うだけである。
投資とは不確実性を相手にしたゲームであり、世の中が不確実であるからリスクがあって、そのリスクをうまくマネージするからリターンが生まれる。
市場全体の大きな成長が期待できないなかで、その市場に連動してしまっては投資の成果が芳しいものにはならないだろう。

どうすれば儲かるのか?

  1. 唯一確かなのは、確実なものはないということである。
  2. 意思決定においては確率についてよく考えるべきである。
  3. 不確実性があるにもかかわらず、われわれは行動しなければならない。
  4. 意思決定を評価するには、結果だけでなく、その過程も考慮すべきである。
ときとして間違った判断が成功に結び付くことがあれば、きわめて正しい判断が失敗に終わることもある。しかし、長い目で見れば、より深く考え抜いたうえでの意思決定は、全体としては望ましい結果に繋がり、結果そのものよりも、いかに検討を加えて意思決定が行われたかが評価されることになる
ロバート・ルービン元米国財務長官、ペンシルバニア大学卒業式祝辞
理論やデータに基づく科学的なアプローチは、それを採用しなかった場合と比べて、長期的には望ましい結果をもたらす

効率的市場仮説
weak form過去の価格に含まれる情報から、平均以上のリターンを上げることはできない。テクニカル分析は無効
semi-strong formすべての公開情報を用いても、平均以上のリターンを上げることはできない。ファンダメンタル分析は無効
strong formインサイダー情報を用いても、平均以上のリターンを上げることはできない。企業が情報公開する前に価格が上昇
効率的市場仮説

株式投資の評価尺度

ROA純資産利益率本業での稼ぎ。
ROE自己資本比率利益と自己資本を比較する。自己資本を使って、どれだけ効率よく利益を上げているか。
PER株価収益率株価と純利益を比較する。
PBR株価純資産倍率株価と純資産を比較する。
ROE
ROE = 純利益/純資産
ROE=純資産利益率×財務レバレッジ
ROE=売上高利益率×総資産回転率×財務レバレッジ

売上高利益率=純利益/売上高
総資産回転率=売上高/総資産
財務レバレッジ=総資産/純資産
売上高利益率純利益と売上高を比較する。
総資産回転率売上高と総資産を比較する。資産が何回転しているか。
資産がどの程度効率的に使われているか。
財務レバレッジ総資産と純資産を比較する。総資産が純資産の何倍か。
財務基盤の脆弱性。

ROEだけでなく、ROAを参照する必要がある。
  • ROA=本業での稼ぎ
  • ただROEを上げるだけ。→自社株買い
PER
PERを計算する際に使われる利益は実績値ではなく、将来の予測利益を使うことが多い。
  • PER:将来の成長期待が反映されている。
バリュエーション株価評価尺度
バリュエーションが不適切
  • 市場は理論的に説明がつかない水準を示す。
    • 業績が極端に落ちる。→PERが高まる。
    • 赤字企業→PER計算不可

株価の先行性
  1. 株価が下落し、PERが低下する。→割安に見える。
  2. 業績下方修正
  3. EPSが低下する。→PERが上昇する。
一見割安に見える場面があるが、実際にはそうではない。
PBR
プレミアム付加価値
プレミアム=純資産−時価総額→将来生み出す利益

PERが1倍超の場合
1倍の部分純資産
1倍を超える部分プレミアム
株主資本に対する利益率
PBRのプレミアム=企業価値のうち、株主資本がどれだけ成長するか?

考え方:現在の成長率で、あと何回成長すればプレミアムに達する?

\begin{align}
ROE t &= PBR - 1\\
t &= \frac{PBR - 1}{ROE}\\
&= PER - \frac{1}{ROE}
\end{align}
PBR1倍割れの意味

PBR1倍を上回る部分プレミアム=将来の利益
PBR1倍を下回る部分将来の赤字

解釈
  • 解散価値を下回る
  • 将来の純資産価値の減少
株式益利回りPERの逆数
金利水準との比較に用いる。
イールド・スプレッド長期金利−株式益利回り
差が小さい→株式相場は割安
差が大きい→株式相場は割高
イールド・レシオ長期金利÷株式駅利回り
割合が小さい→株式相場は割高
割合が大きい→株式相場は割安

株式益利回り
E利益
B株主資本
P株価
  1. 投資家は株価Pで、企業の株式を買う。
  2. 投資家は利益Eの企業業績を期待する。
  3. EPS = E/P→市場の期待利回り
  1. 投資家は資本Bを、企業に投資する。
  2. 投資家は利益Eの企業業績を期待する。
  3. ROE = E/B→企業の期待利回り

市場が期待する利回り(EPS)に株価がROEが及ばないとき、PBRは1倍を下回る。

PBRを傾きと解釈する。


ROEが株式益利回りより低いと、PBRは1倍割れ。
ROEが株式絵利回りより高いと、PBRは1倍超え。

\begin{align}
PBR &= PER\:ROE\\
ROE &= PBR\:PER^{-1}\\
PER &= PBR\:ROE^{-1}\\
\end{align}

\begin{align}
ROE &< PER^{-1} \leftrightarrow PBR &< 1\\
ROE &> PER^{-1} \leftrightarrow PBR &> 1\\
\end{align}

株価=将来得られる収入の現在価値⇔純利益(企業業績)を現在価値として割り引いたもの
リスク・フリー金利無リスク金利
国債利回り、インターバンクレート、LIBOR
リスク・プレミアム不確実性に応じた上乗せ金利
金利=リスク・フリー金利+リスク・プレミアム
PER=株価÷純利益(企業業績)
PER上昇リスク・プレミアム下降
PER下降リスク・プレミアム上昇

証券
証券一定の権利、義務を表示し、法律上の効力を有する文書。
証券化一定の権利、義務を表示、文書化すること。
先生「おやつは300円以内です。」
町工場の息子「自作したとして工賃は含みますか?」
問屋の息子「小売値ですか?仕入れ値ですか?」
投資家の息子「原子が300円以内という認識でよろしいですか?」
証券家の息子「300円分の権利を証券化して級友に販売することは可能ですか?」
株主の権利自益権利益配当請求権
残余財産分配請求権
共益権
株主への利益還元配当インカムゲイン
自社株買いEPSを高める。
値上がり益キャピタルゲイン



アクティブ運用は予測である。

差異の利潤化
株式投資株価とフェア・バリューの差異を利潤化。
貿易遠隔地の差異を利潤化。
IT情報の差異を利潤化。

利潤を生む源泉である差異がなくなる=アルファの源泉が食い尽くされる
アルファ付加価値=超過リターン
効率的な市場=均衡状態
  1. 市場が均衡する。
    1. 市場価格がフェア・バリューから乖離し始める。
    2. 乖離の差異が拡大する。
  2. 市場の均衡が崩れる。→不合理な価格付け=ミスプライス
    1. 割安なものは、さらに割安になる。
    2. 割高なものは、さらに割高になる。
  3. 市場が崩壊する。→**ショック

ファクター・リターン
株価変動に影響を与えると考えられるファンダメンタル指標や市場指標を用いて、各指標が一定期間における銘柄間のリターン格差をどの程度説明しているかを分析するもの

個人レベルの対応→アクティブ・ファンドの超過リターンを調べる
  1. 代表的なアクティブ・ファンドを選ぶ。
  2. 選んだファンドのパフォーマンスを定点観測する。
    1. ベンチマーク(TOPIXなどの株式指標)に対するアルファを監視する。
    2. 基準価額の監視ではない。
  • 相場変調の兆し
  1. 選んだファンドのアルファが継続的に好調。
  2. アルファが徐々に小さくなる。
  3. アルファが継続してマイナスになる。

長期投資
  • 長く運用し続けること。
  • 長く保有し続けることではない。
  • 目標期待リターン:年率5〜7%
  • 目標値上がり益:2.5〜5%
  • 目標配当利回り:2%
底値圏では買い、高値圏では売ることが肝要である。全部売る必要はない。3分の1だけ売るとか、ポジションを半分にするとか、状況に応じて対処してほしい。タイミングを分けることが重要だ。余力を残すのである。これは買いの場合について特に言える。
年率7%のリターンを獲得し、それを1年続けて資産を当初の倍に増やせたら、個人投資家の資産運用としては限りなく奇跡に近い大成功と思うべきだ。

ポートフォリオ
  • 銘柄数が増える。→アクティブ・リスクが小さくなる。
    • アクティブ・リスク=トラッキング・エラー:ベンチマークからのパフォーマンス乖離リスク
将来を予想して投資するのではない。10年後に値上がりしている銘柄だけをポートフォリオに残すようにするのだ。
値下がりした銘柄はどんどんポートフォリオから外して、値上がりした銘柄だけを残しておくのである。
レースの途中で賭ける馬や掛け金をどんどん変更していくようなものだ。損切りは辛いが、見方を変えれば1割の解約ペナルティを払ってスタートダッシュに失敗した馬への掛け金を返してもらえると考えればどうだろう。
次第に先頭集団を走る馬だけのポートフォリオができあがり、その中から優勝する馬(大化けする銘柄)が出れば大きなリターンが見込める。
この方法はマラソンレースにおける脱落者を切り捨て、そのランナーたちに賭けていた資金の一部を回収して、また別のランナーにかけ直すようなものである。
大きく値上がりする銘柄を(結果として、事後的に)探し出し、そこに資金を集中していくものだ。
買ったら儲かるまで売れない、売らないと思うからあれこれ悩むが、素人が悩んだところで結果は知れている。

業種分類
ディフェンシブ薬品、食品、電力、ガス、電鉄海外売上比率に注意
景気敏感輸出電機、精密、機械、自動車
資源商社、非鉄、海運
内需産業金融、IT、建設、不動産、小売り為替や海外景気の影響が少ない。
外需産業為替や海外景気の影響が大きい。
外需≠輸出企業
外需≠輸出企業→生産体制の海外移転

ヘッジ手段
  • 日経平均の先物売り
  • プット・オプションの買い、コール・オプションの売り
  • VIX指数連動ETF

VIX指数=恐怖指数
VIXVolatility IndeX
  • オプション価格からS&P500株価の変動率を予想する。
  • 投資家心理を表す。
    • 指数が高いほど、先行き不透明感が高い。
  • 通常10〜20
  • 相場の下落時に高くなる。→相場下落のヘッジとして使える。
    • VIX指数と構想間の資産は、相場下落に頑強である。

VIX短期先物指数ETF
  • S&P500 VIX短期先物指数≠VIX指数
    • 取引リターンの指数化→--CBOE先物取引所に上場されているVIX指数先物の第1限月を売却し、第2限月を買い付ける。
    • ロールオーバー(乗り換え):満期の度に先物を売却し、次の満期の先物を購入する。
    • 長期投資には不適。
      • 安く売って、高く買う、ことを繰り返す。→減価し続ける。
      • 繰り返し、乗り換えコストが発生する。
  • VIX指数が急上昇すると、状況が逆転する。
    • 一度相場が荒れると、期待ボラティリティは高止まりする。簡単には落ちない。
    • 荒れている期間中、ロールオーバーによる利益が発生する。
      • VIXの水準に変化がなくとも、保有しているだけでロールオーバーの利益が生じる。
    • VIX指数が低下し始めると、ETF価格は緩やかに下降する。→積みあがったロールオーバー利益が解消されるため。
自分がある情報を入手して、マーケットの動く方向を予想したとき、自分の思った通りにマーケットが動かなかったとする。
  • 自分の入手した情報が間違っていた。
  • 情報の分析、解釈を間違えた。
  • 自分の知らない他の情報がもっと多くある。
投資は不確実性を相手に戦うゲームである。どんなに理論を突き詰めても、偶然性や運に左右される部分を排除できない。